桐とは

桐(キリ)

以前はゴマノハグサ科シソ目に属していたが、近年APG植物分類体系で

キリ属キリ科として独立した落葉広葉樹です。

原産は中国で西暦600年代に日本に入ってきたと言われます。

日本国内では北海道南部以南で植栽されております。

 

桐の花言葉は「高尚」由来は中国神話の霊鳥「鳳凰」は桐の木だけに止まるとされ

、そのため尊重された。

花は4月から5月に咲き筒状の花で紫色をしとても綺麗な花です。

 

木材として桐は古くから使われてきました。

下駄やお琴、神楽面など。

日本国内の木材では桐が一番軽く湿気に強く割れや狂いが少ない事から家具や

建具などにも多く使われてきました。また火にも強い特性から金庫の内張り

や美術品などを収める箱なども桐が使われております。

 

桐たんすの優れた特徴

桐は素材の表面が粗い為、吸湿性があり、吸い込んだ素材自体は膨張して、隙間をふさぎ外気を遮断します。
乾燥時は素材が収縮し通気を良くなります。
桐自体の組織の中に、チローズ構造と云うミクロの小部屋が無数にあり、
これが湿度に敏感に反応して、桐の素材自体が膨張したり収縮したりして防湿効果をもたらします

 

桐には、パウロニン、セサミンと云う成分が含まれており、ノミ・ダニなどの虫がつきにくく、抗菌性に優れています。

桐材は多孔質(ミクロの小部屋)の為、保温効果に優れています。

桐の木の発火点は非常に高く、425℃といわれています。
更に、表面が炭化し水分を含むとほとんど燃えなくなるようです。

もし火事にあっても、桐たんすが黒こげになっていても、中の着物や洋服などが無事な事が事例で多く残っています

軽くて軟らかい桐材は、腐りやすいと考えられがちですが、実は極めて腐りにくい木材です。

それは桐材に多量のタンニン(防腐剤が大きい)

が含まれているからです。そのため、桐たんすは長い期間使用可能なのです。

日本列島に育つあらゆる木の中で一番軽い樹木のため、持ち運びが楽です。

桐たんすの主な産地

新潟県加茂市

新潟県加茂市は北越の小京都

江戸時代、指物師が杉材で箪笥を作ったのが始まりと言われております。

明治の初期には北海道や東北地方へ出荷され産地として発展してきました。

現代では日本全国に出荷され全国の桐たんすの約70%を生産されている

と言われております。

全国へ出荷しているので、その地域に適した形や仕上げで生産されております。

デザイン的にも昔からある伝統的な形はもちろん現代の住宅事情に合わせた

モダンな形の桐たんすの開発にも積極的に取り組んでいる。

価格は中価格帯から高価格帯

埼玉県春日部市

クレヨンしんちゃんの春日部市

江戸時代初期、日光東照宮を建てる職人たちが日光街道の宿場町である春日部に

住みつき指物などを作り始めたのが始まりと言われております。

箪笥の特徴は派手な飾りがなく質素で地味で直線的なデザインです。

東京と近いため作られた箪笥は東京とその周辺で販売されることが多いので金具や

仕上げなどは東京の好みに合わされるようです。

価格は中価格帯から低価格帯

愛知県名古屋市

尾張名古屋市は約400年前、名古屋城を建てる職人たちが城下町に住みついて、

長持ちなどを作ったのが始まりと言われております。

名古屋桐たんすの特徴、サイズは四尺幅が多く桐たんすとしては大きい方です。

形は胴丸などが多く、三つ重ねで中台が扉タイプの中洋が人気のようです。

仕上げは泉州と同じように赤砥の粉を混ぜており、比べれば赤みは抑えられているが基本的な砥の粉色より泉州色に近い。

金具は豪華絢爛で金色や銀色がの物が好まれる。

価格は高価格帯

大阪府泉州地域

大阪府泉州地域は堺市、岸和田市、泉大津市、貝塚市、泉佐野市など13市町から

なる地域

始まりは江戸中期、岸和田市や堺市周辺で製作されております。

形は名古屋と似ており胴丸や三つ重ねが多い、扉の中にある衣裳盆の前面には

透かし彫りが入ることがあるなど繊細な作りが特徴的

砥の粉の色は赤砥の粉を使用することが多く他の地域の箪笥と比べると赤い。

金具は金色や銀色の単色の物が取り付けらえることが多い。

価格は高価格帯